「会議って何をする場なのか、いまいちわからないし、私なんかが参加していいの?」
「みんなの前で発言するのは緊張するし、どう言えばいいかわからない…」
「話が進むのが早くて、メモが追い付かない・・・」
会議に参加したことがあまりない方は、大人数での話し合いの中で自分がどうふるまったらいいのかが分からないことがあるのではないでしょうか。特に社会人になって初めての会議や、新しく参加したコミュニティでの初めての会議ではどうしても周りが気になり自分らしくいられないことがあります。でも実は会議を主催する側は初めての人にこそ既成概念にとらわれない意見を求めていたりします。
こんにちは、当サイト(ワクワク会議研究所)の所長です。私は企業団体の会議に10年間取り組み、今は企業の会議改善コンサルタントをしています。しかしその過程では、有意義な会議を開催できるようになるまで沢山の失敗と学びを重ねてきました。
今回は会議での立ち振る舞いやコツをわかりやすく解説します。この記事を読んで、会議の流れや発言のコツを学び、緊張せずに会議に参加できるようになりましょう。
- 会議の基本がわかる:会議の目的や役割がわかり、自分がどう関わればいいかもわかる。
- 発言のコツがつかめる:意見を伝えるコツを学べるので、発言に対する不安が和らぐ。
- メモの取り方が身につく:的確にメモする方法がわかり、後で振り返りやすくなる。
会議って何?まずは基本を理解しよう
会議というとちょっと難しく感じるかもしれませんが、簡単に言えば「みんなで話し合って何かを決める場」です。学校や部活動でも、「次の活動をどうするか」とか「みんなの意見をまとめる」ために話し合うことがありますよね。これも立派な会議の一つです。
改めて考えると不思議です。会議と話し合いって何が違うんでしょうか?
世界共通の定義があるわけじゃないけど、会議は枠組みを指していて、話し合いは行動を指しているよね。会議は必ずしも話し合うとは限らないかな。
枠組みであれば、どんな枠組みか教わることがあってもいいのにそんな経験はないです。
多くの人がそうだと思うよ。まぁそんな人たちが学ぶためにこの研究所があると言ってもいいね。
会議の目的を知ろう!
会議にはいくつかの目的があります。これを知っておくと、「今日はどんなことが決まるのか」がわかり、会議の内容が頭に入りやすくなります。
情報を共有する(共有)
たとえば、みんなで新しい活動やプロジェクトの内容を知るために、会議で情報を共有します。みんなが同じ情報を持つことで、今後の動きがスムーズになります。
アイディアを出し合う(発散)
参加者それぞれちがった経験や価値観を持っているので、それを活かして違った意見を出し合います。みんなで何かを決めるために、より良い方法が見つかりやすくなります。
意見をまとめて決定する(収束)
意見がたくさん出たときに、それをどうやって一つにまとめて決定するかも会議の役割です。こうすることで、みんなの考えが一致し、同じ方向に進めるようになります。
問題を解決する(解決)
「今、どんな問題があるか?」を話し合って、解決方法を考えるために会議が開かれることもあります。たとえば、「このままでは成果が出にくい」という状況をどう改善するかをみんなで考える場です。
ステップのようにも見えます。
そうだね。1回の会議の中でまとめてやってしまうこともあるからね。
会議での役割を理解しよう
会議には、いくつかの役割を持った人たちがいます。それぞれの役割を知ることで、自分がどのように関わればいいのかが見えてきますよ。
司会(ファシリテーター)
会議をスムーズに進める役割を持つのが司会です。司会は、話が脱線しないように調整したり、みんなが発言しやすい雰囲気を作ったりします。
ファシリテーターって聞いたことないです。
そうだね。正確には司会とファシリテーターは役割が違うんだけど、今回は会議をよりよく進める立場だと知っておこう。
発言者
意見を言う役割です。全員が発言者になることもあれば、意見を求められる場面もあります。自分の意見や感じたことを話すことで、会議に参加しているという実感が湧いてきます。違った意見が尊重されれば、可能性の広がる場となるのですが、会議によっては尊重されないばかりか、不適切と扱われることもあります。当探究会の考えとしてはとても残念な状態です。
聞き手
他の人の意見を聞く役割も大切です。特に初心者の場合は、まずしっかりと聞くことから始めると、全体の流れをつかみやすくなります。また、聞きました、という相槌などのリアクションは発言者を認めていることの表れにもなります。会議の雰囲気は聞き手のふるまいによっても変わることがあるので受け身の状態だと決めつけ無いことも大切です。
自分が発言した時、リアクションが薄いとすごく不安になるんですよね。
発言者と聞き手はお互いさまだと思いたいね。
初めての会議に向けて!参加する前に準備しよう
会議に参加する前に、少しだけ準備しておくだけで、自信を持って参加できるようになります。以下のポイントを確認しておきましょう。
会議の議題を確認する
会議のテーマや話し合う内容を事前に知っておくと、会議で話される内容がイメージしやすくなります。たとえば、「今日は〇〇について決める」といった目的がわかっていると、発言のタイミングもつかみやすくなります。
最初の内は難しいと思いますが、少し先のレベルにも触れておきます。他の参加者をの発言を聞きながら決めるためにクリアするべき条件や前提の情報など何が必要とされているのかを理解すると良いでしょう。
質問したいことをメモしておく
会議の中で「これはどういうことだろう?」と思ったら、思い切って質問することも大切です。事前にメモしておくと、会議中に緊張せずに質問できますよ。
会議は始まってしまうと、臨機応変な対応が必要になり状況次第では難易度が上がってしまいます。事前のメモはとても有効です。
会議中にやるべきこと:メモを取ろう!
会議中には、話されることが多くて内容を全部抑えきれないこともあります。そこで、メモを取ると、あとで内容を振り返りやすくなります。
メモの取り方のコツ
- 重要な内容だけを簡単に書く:全部書こうとせず、特に大事だと思ったことだけをメモしましょう。
- キーワードでまとめる:上記と似ていますが、会議中に話された内容をキーワードでまとめておくと、後から見返すときにわかりやすくなります。
- 決まったことや質問したいことも書く:会議中に決まったことや、自分が疑問に思ったことをメモしておくと、あとで役立ちます。
- 自分なりの記号を作って速記に活かす:議論にはある程度パターンがあります。それを簡単な記号で書くことでメモが追い付かなくなることを防いだり、見返したときに直感的に振り返ることができて便利です。
例えばどんな記号がありますか?
普段、リストアップしたものに後から一つだけ〇や☆を書き足したりするでしょ。そんな具合だよ。「→」を「保留」としたりね。
最初の内は難しいと思いますが、少し先のレベルにも触れておきます。発言者の発言内容のうち、事実と解釈を分けて書くのもとても有効です。議論を整理する思考訓練となり、やがて会議をうまく進行する能力として役立ちます。
会議で発言するコツ!シンプルに伝えよう
会議に慣れていないと、いざ発言を求められたときに緊張してしまうことがあります。でも、発言は短くてシンプルでも大丈夫です。以下のポイントを押さえることで、伝わりやすい発言ができるようになります。
簡潔に話す
発言するときは、「結論」から伝えるようにしましょう。たとえば、「私は〇〇がいいと思います」とまず自分の考えを伝え、その理由を後から説明すると、聞く側も理解しやすいです。
なぜ結論からなんでしょう?前置きが必要な事もあるじゃないですか。
会議の発言においては、結論をド頭に言うのはかなり効果的なんだ
時間の有効活用につながる
会議は特に会社では参加者同士で時間を費やしています。会議が短い時間で終わることは他の参加者が余った時間を別のタスクに割り当てられることに繋がります。
聞き手が理解しやすい
最初に結論があることで、後に続く情報が結論と結びついていることを理解しながら聞くことができます。逆に前置きが長いと何の結論に行きつくのか想像を巡らせながら聞かなくてはいけない分、聞き手に負担がかかります。カーナビのルート案内のようにゴールが決まっていると安心できるわけです。
自分も発言がブレにくい
結論を先に言おうとする思考自体が、自分の発言内容をまとめることになり自己理解につながります。また話しているうちに、何を言いたかったのかを見失う危険性を減らせます。
質問を活用する
わからないことがあれば、「〇〇についてもう少し教えてください」と質問してみましょう。質問することで会議の流れに乗りやすくなり、他の人の理解も深まります。
質問が難しい人は
みんなに囲まれて、私が質問するだなんて正直怖いです。
君だけじゃないから安心して。
質問をする際、ありがちなのが怖くなるという心理です。自分がわからない事を聞くことになり、未熟な点をさらすのではないか、叱られたり馬鹿にされたりするのではないかと気になってしまう人は多いです。ここで活かせるのは「確認」です。例えばレストランではお客の注文を復唱しますね。オーダーの聞き取りが間違っていないか確認しているわけですが、確認は伝達ミスを減らすだけでなく、その情報を大事に扱っている姿勢にもなります。会議中の発言に不安を感じる人は、確認をとる発言をすることで会議の参加に慣れていきましょう。
例
「今決まったことは○○ということで合っていますか?」
「○○さんのおっしゃったことは××ということで合ってますか?」
「恐れ入りますが、念のため確認させてください。○○については・・・」
他の人の意見を聞くことも大事!観察して学ぼう
会議に参加する中で、他の人の意見を聞いたり、進行の仕方を観察したりすることもとても勉強になります。特に、ベテランの人がどう発言しているかを見て学ぶことで、次回から自分も自然に発言できるようになるかもしれません。
他の人の話し方に注目する
他の人がどのように意見を伝えているかを見ることで、自分が発言するときの参考になります。自分がお手本にしたいと感じた発言があるのであればなぜそう感じたのか、逆にお手本にならない発言はどこに理由があるのかを考えてみましょう。
会議の進行方法を学ぶ
参加するだけで手いっぱいで進行に意識が向かないです。
そうだね。人によってはちょっとレベルが高いかもしれない。まぁこんなこともあるんだなぁと知っておくだけでもいいと思うよ。
司会がどのように会議を進めているかを観察するのも勉強になります。「こうやって進行するのか」と理解することで、会議がどのように進むのかもわかりやすくなります。
冒頭に、会議の目的として共有、発散、収束、解決という4種類をご紹介しました。これがよく分かっていない人は
- 共有のタイミングで自分の意見を発言してくる
- 発散のタイミングで自分の信じる結論を発言してくる
- 収束のタイミングで遡って別の発言をしてくる
- みんなが納得していないのに自分なりの解決策を進めてくる
など、そのタイミングに沿わないアクションを取る人がいます。発言自体は自由ですし、その意見によって重要なことに気づけたりするのでけして悪いことではないのですが、例えば共有が全て済んでいないのに発散の雰囲気に流れが変わってしまうなど、区切りのつけにくい状況が起きてしまいます。それぞれの目的を順に果たしていかないと、議論が行きつ戻りつとなり予定より多くの時間を割くことになりかねません。そんなときの司会や参加メンバーの対処方法を見ておくことで今後の参考になります。
初めての会議が終わったら:振り返りをしよう!
会議が終わったら、ぜひ振り返りをしてみてください。自分が参加してどう感じたかを振り返ることで、次の会議でも成長を感じられるようになります。
振り返りのポイント
- 自分がメモした内容を見直す:メモを見返すことで、会議の内容を再確認できます。
- わからなかったことをまとめる:会議中にわからなかったことや疑問点があれば、あとで調べてみましょう。
- 次に活かせることを考える:「次はもっとこうしたい」といった点を見つけておくと、会議に参加する自信がついていきます。
可能であればおススメしたいこと
録音、録画データを使って振り返ってみてください。最近ではリモート会議をアーカイブとして残すこともあり、昔よりも会議のやり取りを振り返りやすくなっています。冷静に聞くことができ、気づきや学びが多くなるでしょう。
録音の自分の声が気持ち悪いんです。
最初はそういうものだよ。自分の声は体の中を伝わる音と、空気の振動を耳で聞く音のミックスだから仕方ないんだ。慣れよう。
注意:会議によっては機密事項の関係で録音、録画が不可の物があります。責任者に事前に相談して下さい。
会議は生ものです。集まるメンバー、その関係性、取り上げる議題などさまざまな要因で状況が変わるので数回振り返ったところで次回に活かせることが見つからないこともあります。また、参加の仕方についてフィードバックをもらったとしても、相手も試行錯誤していたり、深く考えていなかったりと的を得た情報をもらえない場合もあります。ですが、振り返りを続けた人とそうでない人とでは後々差が出ます。是非チャレンジしてみてください。
まとめ:会議は怖くない!少しずつ慣れていこう
- 会議の基本:会議はその内容に、共有、発散、収束、解決の目的がある。司会、発言者、聞き手の役割分担で成り立つ。事前の準備や会議中にできることがある。
- 発言のコツ:結論から述べる。質問する。確認を取る。
- メモの取り方が身につく:重要なポイント、キーワード、記号を使って後で見返しやすいメモを素早くとる。
会議は最初は緊張するかもしれませんが、何度か参加するうちに少しずつ慣れていきます。会議の基本を理解し、少しずつ自分の意見を言えるようになれば、会議も怖くなくなっていきます。
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