議論が楽になり、会議が効率化される論点構造マップ【スーパーマリオで解説】

「あれ?結局何を話し合えばよかったんだっけ?」

「あの人が話し始めるといつも会議が長くなる」

「うわー、なんかいろんな意見が出すぎて何をどうまとめたらいいかわかんなくなった」

話し合うことは大事と思いつつ、でも意見にどう方向性を見出したらいいかわからなくなることはありませんか?

こんにちは、当サイト(ワクワク会議研究所)の所長です。私は企業団体の会議に10年間取り組み、今は企業の会議改善コンサルタントをしています。しかしその過程では、有意義な会議を開催できるようになるまで沢山の失敗を重ねてきました。

そこでこの記事では、私が普段から意識している論点構造とその活用方法を解説します。

記事を読むメリット
  • 話が長い人に振り回されない話し合いができるようになる
  • 議論の的が絞りやすくなり、合意形成まで簡単に進められるようになる
  • 多様な意見が出てきても、どれを取り上げていいか迷わなくなる

私たちが普段、仕事やプライベートなどさまざまなところで抱き、向き合い、時には迷う問題は、事情に応じた複雑さはあるものの、構造としては意外と単純に表すことができます。進展への難しさの多くは構造も難しいと思い込んでしまっていて、改めて整理すれば進展や解決が楽になります。

用語解説

冒頭に示した図を、任天堂ゲームのスーパーマリオブラザーズを題材に解説していきます。

ゲームの流れは、主人公マリオが、いくつものステージをクリアしながら、最終的にクッパを倒しピーチ姫を助けるというものです。(知らない人はYoutubeなどで検索してみて下さい。)

所長
所長

ためしに、聞いてみるけどマリオにとっての問題って何だと思う?

チューケンくん
チューケンくん

はい。クッパを倒さなきゃいけないってことです。

所長
所長

OK じゃぁひとつずつ整理していこうか

現状 

ゲームスタート時点の「ピーチ姫が(マリオと一緒に)いない状態」と表します。

理想

「(マリオは)ピーチ姫と一緒にいる状態」と表せます。理想は願望、目標、目的などと書いてありますが、別の言い方をすれば「ありたい状態」「あるべき状態」のことです。

チューケンくん
チューケンくん

クッパを倒してピーチ姫と一緒にいる状態ってことですね。

所長
所長

いや、「クッパを倒して」はこの時点では必要ないんだ。その理由は一旦解説を見てからにしようか。

問題

「(マリオが)ピーチ姫と一緒にいたいのに、そうではないこと」が問題と言えます。本当は理想の状態でありたいのに現状そうではな困っていることということが問題であり、つまり理想と現状のギャップそのものを問題といいます。

原因

理想と現状のギャップ(問題)を生み出しているものを指し、この場合「クッパがピーチ姫をさらったこと」が原因です。

課題

課題とは、やること、やると決めたことを指し、設定するアクションのことを言います。この場合「ピーチ姫を助ける」ということです。

さて、いったんそれぞれを並べてみましょう。

マリオはピーチ姫と一緒にいる状態でありたいのに、(理想)

クッパがさらったことで(原因)

ピーチ姫がいない状態となり(現状)

困っているので(問題)

ピーチ姫を助け(課題)

ピーチ姫と一緒にいる状態になる(理想)

となります。

チューケンくん
チューケンくん

僕は最初、問題は「クッパを倒さなきゃいけない」って言いましたけど、その表現がどこにもないですね。

所長
所長

後半で説明しようと思うけど、それは「細分化した課題」になるよ。

補足1 それぞれは核心だけで表現する

チューケンくん
チューケンくん

理想に「クッパを倒して」がいらないのはなぜですか?

所長
所長

マリオにとって一番重要なことは、クッパを倒すことではなく、ピーチ姫と一緒にいるってこだからだよ。

チューケンくん
チューケンくん

いやいや、クッパを倒さなきゃ、ピーチ姫と一緒にいる、が実現できないじゃないですか

所長
所長

一見そうなんだけど、クッパを倒すのはあくまでゲーム設定上の課題の1つということさ。それ自体をマリオはしたいわけじゃない。

ゲーム設定ではなく物語として妄想すれば、クッパを説得するとか、クッパに気づかれないように忍び込んで、とか別の方法だって考えられるでしょ。

補足2 課題と問題の違い

一般的には「課題」と「問題」の使われ方が似ていて、混同されてているということです。

例えば、「解決すべき課題」という表現があった場合、ここまでの定義を踏まえると「解決すべき問題」、「(問題)解決を目指した課題」という表現の方が適していると言えます。

また、課題解決型○○のように、「課題」が使われるケースもあります。これは課題を全うすることを指していると言えます。「課題」はやること、やると決めたことであり、やり切る上でチャレンジの要素があるので使われている言葉と考えられます。

「原因」も交え言葉の定義を再度整理してみます。

問題:理想と現状のギャップで困っている事

原因:問題を引き起こした要因

課題:理想の状態になるためのアクション

となります。

補足3 課題は細分化できる

ピーチ姫を助けるという課題は、細かく分けることができます。例えば

・目の前のクリボーに対処する(踏みつぶすかジャンプでかわす)

・8-4までステージをクリアする

・クッパを倒す

などです。

チューケンくん
チューケンくん

やっと「クッパを倒す」が出てきました。

所長
所長

ピーチ姫を助ける上で最終的にはクッパを倒す必要があるんだけど、クッパのところまで行かなければならないことも課題と言えるよね。

さらに、クッパを倒すには、ファイヤーボールで倒すこともできますし、クッパをかわして後ろから橋ごとマグマの海に落とすこともできます。

まとめ 会議の効率化のためにできること

誰かの話が長かったり、議論の収集がつかなくなったり、会議が長引く時は、その時展開されている内容をご紹介した図に照らして、整理してみてください。そこには議論のマップが出来上がります。何に話の的を絞る必要があるのかや、複数の事を一度にまとめてしまい複雑化していることなどに気づくことができ効率化できます。

問題:理想と現状のギャップで困っている事

原因:問題を引き起こした要因

課題:理想の状態になるためのアクション

タイトルとURLをコピーしました