「アジェンダってどこかにひな形無いかなぁ」
「アジェンダ作るのめんどくさいなぁ」
「今回もいつものアジェンダと同じ書き方だけど、こんな感じでいいのかなぁ」
会議に必ず用意するアジェンダですが、定番の構成で作られるケースが以外と多く、しっかり工夫が盛り込まれているかそうでないかで会議の成果は大きく変わってきます。
こんにちは、当サイト(ワクワク会議研究所)の所長です。私は企業団体の会議に10年間取り組み、今は企業の会議改善コンサルタントをしています。しかしその過程では、有意義な会議を開催できるようになるまで沢山の失敗を重ねてきました。
そこで、ここではアジェンダの工夫について7つのポイントをご紹介します。
- 会議アジェンダの役割や重要性を理解し、会議の効率化に繋げることができる
- 会議アジェンダの作成ポイントについて知ることができ、適切な会議アジェンダを作成できる
- 会議アジェンダの実践的な使い方や改善方法を学ぶことができ、業務効率化に繋がる
リモート会議では特に、非言語の情報の不足(身振り手振りがカメラから外れるなど)により意思疎通のハードルが高くなっています。その意味でも充実した会議アジェンダが効果的です。
会議アジェンダとは何か
アジェンダを説明するためにも、似たような他の言葉もご説明します。
議案:議会や会議などで議決される提案事項もしくは提案書
議題:討論や議決の対象となる問題やテーマ
次第:行事や儀式、会議などの進行を表す
アジェンダ:会議や協議会などで討議する議題の一覧やスケジュール
レジュメ:会議や講義などで発表された内容をまとめた資料
なかでも次第とアジェンダが似ていて、使い分けがあいまいな場合もあるようです。
会議でアジェンダを用いる意味
多くの場合、会議の概要を記すために作成、配布されます。ですが、アジェンダの役割や重要性を理解していないケースは割と多く、形骸化している(深く考えずに形式的になっている)状況が見られます。
会議は生産性を高める必要があります。それは少ない労力で大きな成果を生み出すということです。その意味で、会議アジェンダは言葉で説明しなくても記されている情報によって聞き間違いや聞き漏れを防ぐことができ、高い生産性のもとになります。具体的には会議の進行や意見交換を効率化、情報共有やタスク管理などの業務効率化に繋がる重要なツールになります。
会議の概要を記すためにアジェンダを作成するというよりも、会議が高い生産性を発揮するためにアジェンダを作成するという意味が重要です。
よくあるアジェンダひな形
では割とよくあるアジェンダをご紹介します。大抵の場合、4つの要素で構成されています。
7つの工夫を盛り込んだアジェンダ
では前項のアジェンダに追記したい項目を記載した、当ラボでオススメするアジェンダをご紹介します。
7つのポイントを一つずつ解説します。
会議の目的と目標
議題(やそのまとまり)を手段と見立てたとき、その先の目的は何か?を記載しましょう。集団で効率よく意見交換をするためには、たどり着きたいゴールを共有していることが重要です。目的とは状況、目標はその状況を図る指標のことです。
事例には組織全体の目的や目標を記載してありますが、会議のそれらでもよいと思います。例えば
目的:各取り組みの理解を進め、会員のアイディアや協力で推進する。
目標:各取り組みの次のステップを合意形成する。
目的と目標の区別が難しいようであれば「会議のゴール」と記載することもできます。
目的や目標なんて、みんな事前に意識していて当然じゃないの?
たしかに、それが理想だね。でも、それぞれが意識できているかを厳密に把握するのはほぼ不可能なんだ。
この項目に限らず、あえて記載するのは念のための確認という意味合いがあります。実際に議論が脱線したり長引きそうな流れになった場合、記載事項を見直すことで会議参加者それぞれが軌道修正を意識しやすくなります。
グラウンドルール
会議を行う上でのルールをグラウンドルールといいます。1~3個程度の記載がよいと思います。逆に数が多すぎたり、文が長くなると参加者が窮屈な印象を受けやすくなります。事例では、話が長い人がいることを想定して
「1回の発言は長くて1分程度」
と記載し、否定ばかりする人を想定して
「否定意見は代替え案を添える」
と記載しました。
グラウンドルールの3つ目が「その他」になっていますね。
会議参加者で3つ目を決めてもいいかなと思ってね。
ルールの設定は、関係者をコントロールする力になりますが、やりすぎは返って委縮につながります。会議の仕切り役が一方的に決めるのではなく、自分たちでよい会議ができるためのルールを決められる自由があるというのも大切なポイントです。
使い慣れてないからルールに何を設定したらいいかわからないです。
じゃあいくつかリストアップしてみるから参考にしてね。
- 飲食しながらでもOK
- スマホはマナーモードで
- カメラはON(リモート会議の場合)
- 隣の人と話すのは控えめに
時間配分
各議題にどのくらいの時間を想定するかを記載しましょう。仕切り役が一方的に決めるのではなく、議題担当者に決めてもらうことが望ましいです。
時間が記載されているってそれだけで安心しますね。
いつ終わるのかわからない会議は不安になるからね。
時間の記載は参加者に安心感を与えることになります。会議中に今どのあたりかを判断する基準になるからです。
時間通りにいかないときはどうしたらいいんですか?
その場合は参加者同士で臨機応変に配分を変えたらいいよ
時間配分はあくまで目安です。正確さよりも記載されていることの方が重要です。また、会議の回数をこなすうちに経験が増えるので時間配分の目途が立てやすくなります。
開会や閉会の挨拶に5分はかからない気がします。
するどい!少し余裕を持たせるのも重要なんだ。
事例では1時間の会議に対し、合計55分で時間配分しています。議論が予想外に伸びた場合や、開会が遅れる場合を見越しています。
優先順位
議題の優先順位の記載です。議題を参加者から募集した場合、連絡があった順に並べることになりアジェンダ通りに進めたら大事な議論に時間が足りなかった、ということが想定されます。優先順位をあらかじめ決めておくことで回避できます。
アジェンダを作る人が最初から優先順位を決められない場合もありますよね。
むしろそのケースの方が多いかもね。参加者同士で決めるといいよ。その方が連帯感も強まるし。
優先順位の低い議題は、次回に持ち越したり、チャットやメールなど非同期のやり取りに変えられる可能性もあり、時間の有効活用につながります。
具体性
議題は一般的に「~について」とテーマを掲げる場合が多いですが、効率的な議論をするのであれば具体的に何をするのかが明確になっていると、参加者があらかじめ考えを用意しやすい点で重要になります。
~を決める、~を検討する、のように動詞で表現されているといいね。
例
改善前 ××の今後の進め方について
改善後 ××の今後の進め方について
おおまかな工程とスケジュールを決める
想定される客先からの要求への対処法をリストアップする
こんな風に、「進め方」の特に何をどうしたいのかも書き出すと議論の脱線が減り、準備の段階で必要な資料や根回しなどに気づくことが増えます。結果としてより生産性の高い会議につながります。
補足での協力願い
参加者に事前にお願いしたいことを記載しましょう。よい会議は参加者全員で作ることができます。特にお願いがなければ、「早めに議論に入りたいので、資料に目を通してきてください」などのちょっとしたものでもよいと思います。
まとめ
以上、【裏技的な会議アジェンダの作り方】あなたの会議が劇的に変わる7つのヒントをご紹介しましたが、発見はありましたか? ※ヒントの1と2(目的と目標)は1セットにしてあります。
お決まりのひな形よりも、必要な情報記載が増えて充実した会議アジェンダになっているはずです。
会議アジェンダの7つのヒント
- 目的(ヒント1)や目標(ヒント2)の記載で、参加者と認識を合わせる
- グラウンドルールで気持ちのいい意見交換の場を作る
- 時間配分で目安をつけやすくする
- 優先順位をつけて時間の有効活用に役立てる
- 具体性でやるべきことの明確化
- 補足で協力願いをしてみんなで会議を作る
いきなり全部はできないかもしれないです。
1つ1つ効果を試しながらでもいいなじゃないかな。
会議を変えようと思ったとき、会議中になんとかするよりも事前準備で工夫をすることの方が簡単に始められます。できるところからお試し下さい。